株式会社志太泉酒造

銘柄酒/「志太泉」
仕込み水と同じ水で栽培された米
理想的な地酒を醸す抜群の環境
瀬戸川沿いの桜並木に、棟を接し建ち並ぶ醸造棟、そして築百年を経た母屋の黒々とした大屋根。桜の時期の志太泉酒造の華やかさは、一幅の絵のような美しさです。6月、志太泉酒造からほど近い助宗(すけむね)の集落では、静岡県オリジナルの酒造好適米(酒米)『誉富士』の田植えが始まります。この助宗地区で栽培した誉富士で仕込んだのが『志太泉 純米吟醸 藤枝誉富士』。蔵と同じ瀬戸川水系の水で育てた地元産の酒米を使った、まさに地酒と呼ぶにふさわしい一本。地酒蔵が目指す、理想的な地産地消商品です。誉富士は、静岡県農林技術研究所の宮田祐二主任研究員(現・科長)によって開発され、2008年、正式に農水省に品種登録されました。現在、全国的にオリジナル酒造好適米(酒米)の開発が盛んですが、宮田氏による新品種の開発は、そうした取り組みに先駆けるものでした。誉富士は酒米の王と呼ばれる、山田錦の優れた形質を受け継ぎながら短稈化、つまり台風でも倒れにくいように稲の丈を低くすることに成功した品種で、静岡県内の農家のみが栽培しています。ただ、安定的な栽培には高い技術が必要となるため、静岡県農林技術研究所による指導や、米農家の皆さんによる熱心な研究が不可欠となっています。地酒蔵としては、やはり地元の米を使った酒造りが理想ですが、実際にはその量は決して多くはありません。
果実を思わせる爽やかな酸味
瀬戸川の水で醸すきれいな酒
志太泉酒造の前を流れる瀬戸川は、藤枝市瀬戸ノ谷、高根山に源流部を持つ清流。川の上流に工場がないため、今も水の清浄さが保たれています。志太泉酒造のお酒はこの瀬戸川の伏流水によって仕込まれます。「この土地の水を活かした、きれいな香りと味わいのあるお酒、それが志太泉の酒です。最近は井戸から汲み上げた水を濾過して不純物を取り除くという例も多いと聞きますが、当社では一切濾過はぜず汲み上げたままの水でお酒を仕込んでいます」志太泉酒造の仕込み水は、ドイツ硬度3.4という中軟水。酵母の働きに影響を与えるカルシウムやマグネシウム、お酒に色を付けてしまう鉄分やマンガンなどがほとんど含まれていません。蔵元である望月社長と能登杜氏の技を継ぐ西原杜氏は、この水を活かした酒造りについて頻繁に意見を交換し、目標、理想とする酒質について常に情報の共有化を図っているそうです。志太泉のお酒には、柔らかな酸味と透明な水をイメージさせる後口に特徴があります。柔らかな酸味は静岡酵母らしい爽やかな果実香とあいまって、フルーツの様なフレッシュさを感じさせてくれます。そして、お米由来の優しい甘みは豊かなフレーバーを余韻に残しつつ、やがて舌先からスッと消えていきます。「飲み飽きしない、そして食事の邪魔をしない食中酒として楽しんでいただければと思っています」若い蔵元と杜氏が、誠実に酒造りに取り組む志太泉酒造。オール藤枝のお酒『志太泉 純米吟醸 藤枝誉富士』の新酒も既に発売されていますので、ぜひ一度お試しください。

主要銘柄

品名:志太泉 純米酒
米(精米歩合):山田錦(60%)
酵母:NEW-5
日本酒度:+3.5
酸度:1.4

品名:志太泉 特別本醸造
米(精米歩合):五百万石(50%)
酵母:NEW-5
日本酒度:+7.5
酸度:1.25

品名:志太泉 普通酒
米(精米歩合):五百万石・ひとめぼれ(65%)
酵母:NO-2
日本酒度:+6
酸度:1.3

会社概要
社 名:株式会社 志太泉酒造
住 所:藤枝市宮原423番地22の1
連絡先:TEL.054-639-0010 FAX.054-639-0777
代表者:望 月 雄二郎
杜 氏:西 原 光 志(能登)
創 業:明治15年(1882年)
最寄駅:JR藤枝駅から車で約15分/静鉄バスセトヤ線「宮原」下車、徒歩約2分。
見 学:要事前連絡
http://shidaizumi.com/