遠州山中酒造株式会社

銘柄酒/「葵天下」
静岡で唯一残る近江商人直系の酒蔵
二百三十余年の歴史を語る蔵屋敷
徳川家譜代の名門である西尾家が治めた横須賀藩。今も城下町の風情を残す旧道沿いに、山中酒造の歴史を感じさせてくれる蔵屋敷があります。「昔は通りに面した間口で税金の額が決まりましたので、間口はなるべく狭くして、奥へ深く広くという構造になっています」と自ら杜氏も務める山中久典社長が教えてくれました。旧街道に面した事務所の壁には、古くからの鑑評会の賞状がびっしりと飾られ、歴史ある蔵の趣をより感じさせてくれます。山中社長が最初に案内してくれたのは洗米場、そのすぐ脇に大小二つの甑、和釜が並びます。「水は南アルプス赤石山系の伏流水を、地下100メートルから汲み上げています。水質は超軟水、南アルプスから横須賀の海岸線まで、地下でゆっくり磨かれたとても柔らかな水です。」先代の山中隆社長は、若い頃には国税庁の酒類鑑定官を目指されていた時期もあるほどの、理論派で知られた蔵元だったとお聞きしています。その先代の薫陶を受けながら、当時専務だった久典社長が杜氏職を引き継いだのは平成12年。以来、酒造りの責任者として蔵で指揮を執られています。「いやいや、家族総出での酒造りですから、指揮というほど偉くないかな。ぶーぶーと文句をいいながら、娘たちも酒造りを手伝ってくれます。」と笑う。ほんの少し言葉を交わしただけで、その優しい穏やかな人柄が伝わって来ます。
静岡で唯一残る近江商人による伝統蔵
地元横須賀で愛される丁寧な酒づくり
「この蔵はちょっと凄いでしょう。3階建ての高さがあります。」そう案内されたのは3層の作業場を持つ木造蔵。これまで静岡県内の酒蔵は全て巡っていますが、これほど天井の高い大型木造蔵は他にありません。以前、沼津市松長の渡辺酒造(銘柄:田子乃富士、伊豆海、牧水。2009年廃業)の、太い心柱を持つ立派な3階建て木造蔵を訪ねたことがありますが、現存しているのはこちらだけです。3階に相当する階に麹室と放冷場・酒母室があり、整然と並ぶ1階の醸造タンクの周りには、作業用の足場が中二階のような構造で設置されています。上の階層から下へと、酒造りの工程順に、蔵人たちの作業のしやすさ、安全を考え抜いた配置なのでしょう。山中酒造の酒造りについてお聞きすると、「酒造りの要諦ですか、そうですね、やはり酒母の出来だと思います。香りのよい丈夫な酒母であれば、その後の工程で大きく崩れることはありません。洗米・蒸米・麹・酵母と酒造りの全てが酒母に集約されます。その良し悪しは数値だけでは判断できないのですが、5~6年前から感覚的にこれは良い!という事が分かるようになりました」と教えてくれました。山中酒造の銘酒『葵天下』は、ほとんどが地元で消費されるため、同じ静岡県内でも東・中部では入手しにくいのですが、西部にお出掛けの折りはぜひ『葵天下』のラベルを探してみてはいかがでしょう。

主要銘柄

品名:葵天下 純米大吟醸
米(精米歩合):山田錦(40%)
酵母:
日本酒度:
酸度:
品名:葵天下 上撰本醸造
米(精米歩合):(65%)
酵母:
日本酒度:
酸度:
品名:葵天下 特別本醸造
米(精米歩合):五百万石(60%)
酵母:
日本酒度:
酸度:
会社概要
社 名:遠州山中酒造株式会社
住 所:掛川市横須賀61
連絡先:TEL. 0537-48-2012 FAX. 0537-48-6312
代表者:山 中 久 典
杜 氏:山 中 久 典(自社)
創 業:寛政元年(1789年)
最寄駅:JR袋井駅から静岡鉄道バス「横須賀」下車、徒歩約3分。
見 学:無
http://www5a.biglobe.ne.jp/~yamanaka/