静岡の地酒「静岡県酒造組合」 富士山、天城山地、南アルプスの名水で醸す静岡の地酒を蔵元情報と共にご紹介。日本酒の良さ、日本酒文化を多くの方に伝えたい。
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静岡酵母と静岡型吟醸酒

しずおか酒造りの風景


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インターナショナル・サケ・チャレンジ
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第11回 静岡県地酒まつりin東京

第22回 静岡県地酒まつりin静岡

日本酒で乾杯推進会議
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静岡県開発のオリジナル清酒酵母「静岡酵母」


▲静岡酵母HD-1のスラント(写真左)と、酵母の培養液(写真右)。この培養液を酒母に混ぜる。



▲センター内の麹室(写真上)と試験醸造室(写真下)。いずれも雑菌を繁殖させないために、ステンレスで覆われている。



▲静岡県東部の酒蔵が参加した2007年の呑切りの様子。審査官による利き酒(写真上)と、利き酒後の講評(写真下)。

 全国の地酒ファンからご支持いただいている静岡の地酒。しかし、静岡県が地酒の銘醸地のひとつとして認められた歴史は、決して古くはありません。静岡の地酒が大きく飛躍し、全国から注目を集めたのは、昭和61年の「全国新酒鑑評会」からです。この年の全国新酒鑑評会に静岡県内から21蔵が出品し、17蔵が入賞、内10蔵が金賞を受賞。全国的には無名であった静岡の地酒が、金賞の実に1割近くを占めるという快挙でした。

 この快挙の原動力のひとつになったのが、「静岡酵母」の存在です。静岡酵母は、酢酸イソアミル優勢の柔らかな果実香を引き出す、静岡県開発のオリジナル清酒酵母です。静岡酵母で醸した酒は「静岡型吟醸」と呼ばれ、「フレッシュで飲みあきしない酒。」「フルーティな香りで、雑味のない綺麗な酒」「優しい味と香りで、食中酒として最適。」といった評価をいただいています。

 静岡酵母の研究・開発は、当時、静岡市葵区駒形にあった静岡県工業試験場の醸造研究室で始まり、その後の施設移転にともない、静岡県工業技術研究所 沼津工業技術支援センターのバイオスタッフへと引き継がれました。沼津工業技術支援センターでは、静岡酵母の更なる研究・開発のほか、呑切り*による品質の確認や、仕込み時期には各蔵への巡回指導を行い、静岡県産地酒の更なる酒質向上への力となっています。

(*)呑切り(のみきり):秋口に貯蔵タンクの呑み口を切り、夏を越して貯蔵した酒の利き酒を行う行事のこと。暑さによる品質劣化の有無や、酒の熟成具合を確認・評価する。

 静岡酵母は、これまでに育種された株のうち、7種類が実用化されています。それぞれの特徴をまとめました。

酵母 特徴 用途
SY-103 爽やかな香り 本醸造酒
NO-2 有機酸が少なく、淡麗 本醸造酒
HD-1 華やかな吟醸香 大吟醸酒
New-5 有機酸が少なく、淡麗、吟醸香高い 純米吟醸酒
CA-50 マスカット様の香り 本醸造酒
5MT-1 香りのバランスが よく、リンゴ様の香り 本醸造酒
HD-101 HD-1の泡なし株 大吟醸酒