▲蒸しをする冬の朝の風景
住所/静岡市駿河区西脇381
銘柄酒/「萩錦」
≫所在地
にぎやかな大浜街道から道を一本入ったところに萩錦酒造はある。静かな住宅地。蔵に近づいていくと、井戸からドドーッと吹き出てくる水音。涼やかな風と連動して流れる清らかな水の輝きは、この蔵の酒の旨さを語っている。
地元の水に馴染んだお客様を大切にしながら、自分たちの飲みたいお酒を考えながら良いものを造って行きたい、そんな社長の萩原知令さんにお話を聞いた。
地域密着で、地元で愛される酒を造り続けたい。
▲勢いよく湧き出る仕込水。年間通して水温は15〜16度。
──外の井戸に水が勢いよくドッと吹き出ていたのですが、仕込み水はこの水を使われているのですか?
庭のパイプから出ている水のことですね。近所の方も自由に汲みに来ますよ。ここは全国で清流第一位と賞された安倍川の恵みがあります。仕込み水としてはもちろん洗米にもこの湧き水を使用しています。
この水は、安倍川の地下水脈から汲み上げており、舌触りは柔らかい印象です。そのままそれが酒に反映されています。水の特徴をそのまま生かした柔らかい後味が萩錦のお酒らしさですね。
──あまりすごい勢いなので、ちょっともったいない感じがします(笑)。
では、お米はどちらのものをお使いなのですか?
静岡県産の誉富士、兵庫県の山田錦、長野県の美山錦やひとごこち等を使い造っています。また最近では、今まで使用したことのない酒米を使い小タンクで仕込みをおこなったりもしています。将来的には経験した造りをもとにお米の選択をおこない萩錦の造りにあったものを大切に取り扱いたいと考えています。