富士正酒造合資会社

銘柄酒/「千代乃峯」「富士正」
標高900メートルの朝霧高原
日本で一番富士山に近い酒蔵
富士宮市上野の里で慶応年間から続く富士正酒造は、富士山の麓という土地柄に根差した酒造りを心掛けてきたそうです。それは、この土地で収穫される農作物や、郷土の料理に合う酒造りを忘れてはいけないということです。「温暖な静岡県の中でも、朝霧高原へと続く富士山西麓は、寒さの厳しい土地です。ここでは昔から味の濃い煮物料理など、えぐみの強い野菜を調理したものが食べられてきました。そうしたこの土地の風土を映した味と、一緒に飲んで一番美味しい酒を造る。現在のように流通が発達する以前の地酒とは、本来そうしたものなのです」十余年前、静岡県内の酒蔵の取材を始めたばかりの私は、先代蔵元の佐野直次社長から、そう教えていただきました。現在の富士正酒造は、朝霧高原の「あさぎりフードパーク」内にありますが、当時の酒造りは、上野の里の蔵屋敷で行われていました。蔵の前に広がる田んぼ越しに眺めると、重厚な母屋や醸造蔵の奥に、雄大な富士山がそびえる見事な景観です。現在、上野のお屋敷では酒造りは行われていませんが、伝統的な蔵屋敷の風情を今も感じることが出来ます。毎年2月に開催される「上野の里の蔵開き」イベントでは、旧蔵屋敷が解放され、振る舞い酒や地元グルメの屋台、ミニコンサートなどが催され大変賑わいます。(コロナ渦の影響で2021年「上野の里の蔵開き」の開催は中止されました。)
9代目を継ぐ若き蔵元が目指す
あたらしい「富士正」の酒造り
 
平成23年の秋、朝霧高原に新築されたばかりの富士山あさぎり蔵で、酒造りが始まりました。全く新しい環境で最初の酒造りです。この重責を担ったのは南部流の若手、八重樫次幸杜氏(現・初亀醸造杜氏)。前年まで頭(かしら)を務めていましたが、あさぎり蔵で杜氏職へと抜擢されました。同じ富士宮市内と言っても、上野と朝霧では冬の寒さが全く異なり、早朝の気温はマイナス10度を下回ります。新築の蔵での酒造りに何度かうかがいましたが、温暖な静岡県とは思えない寒さです。岩手出身で低い気温に慣れているはずの八重樫杜氏でさえ「朝霧は寒さの種類が違います。鋭い、痛いような寒さ」と表現されていました。新しい蔵での酒造りについてお聞きすると「新たな問題が次々に起こります。そのひとつひとつを丹念に修正対処して、毎日その積み重ねです。それが来年の酒造りにつながって行きますから」そう話してくれました。あさぎり蔵での2年目の造りでは、静岡県清酒鑑評会において、吟醸の部、純米の部ともに入賞。南部杜氏協会の自醸清酒鑑評会でも、純米吟醸の部、純米酒の部でも見事入賞を果たします。現在、富士正酒造は9代目蔵元を継ぐ佐野彰紀氏が蔵にこもり、酒造りに取り組んでいます。若き蔵元を支えるのは、同じく南部の新進気鋭、伊藤賢一杜氏。若い二人が中心となり、酒造りに取り組んでいます。平成29年、令和2年、全国新酒鑑評会で入賞を果たすなど、富士正酒造の新しい酒造りに手ごたえを感じていらっしゃるのではないでしょうか。観光蔵でもある富士正酒造あさぎり蔵、試飲や甘酒の振る舞いもありますので、朝霧高原を訪れた際はぜひ訪れてみてはいかがでしょう。

主要銘柄

品名:千代乃峯 上撰
米(精米歩合):
酵母:
日本酒度:
酸度:
品名:千代乃峯 金印
米(精米歩合):富士の舞(70%)
酵母:
日本酒度:+4
酸度:1.1
品名:辛口 げんこつ
米(精米歩合):黄金晴(70%)
酵母:NEW-5
日本酒度:+8
酸度:1.2
会社概要
社 名:富士正酒造合資会社
住 所:富士宮市根原450-1
連絡先:TEL. 0544-52-0313 FAX. 0544-52-0314
代表者:佐 野 睦 子
杜 氏:佐 野 彰 紀
創 業:慶応2年(1866年)
最寄駅:身延線富士宮駅から富士急バス上野線「妙蓮寺」下車、徒歩約2分。
見 学:要事前連絡
http://www.fujimasa-sake.com/
※ネット通販可能