山廃、生で日本酒の美味しさを探究したい。
▲酒蔵の一角にある蒸留機。芋焼酎「才助」は人気が高く入手しにくい。
──芋焼酎ですか。静岡中部では珍しいですね。
味醂は料理屋さんにも多く使っていただいています。
焼酎の芋は天竜豊田村と御前崎産、そして地元藤枝のものを使いました。生粋の静岡生まれの芋焼酎です。「才助」という初代の名前をつけて売り出したんですが、これもなかなか評判はいいですよ。
──そういう新製品ができた時には、営業マンが売り込みに走る。
現在は営業活動はボチボチです(笑)。7、8年前には私が東京方面をひたすら走り回って売り込みました。近場は仕事の合間に回ったりもしましたね。
──では、こちらのお酒の消費は県外が多いのですか?
県外が増えていますが、地元の方が多いですね。だいたい焼津、岡部、この藤枝で5割強、残りが県内の他の地区と県外ですね。県外は問屋を一切使わないで、全て小売店に直で入れています。
▲造り酒屋が作った本物の味醂「飛鳥山」。
──静岡の酒蔵として、これからやっていこうと考えてらっしゃることは。
静岡型吟醸、キレのある吟醸酒を造り続けたいですね。
実は2年前から、静岡型吟醸で鑑評会に挑戦してきたんですよ。今まで、カプロン酸系の香り高い酒でないととれないといわれていた金賞をとりたいです。去年、今年と入賞まではできました。ですから、あともう一息のところなんです。鑑評会の審査の仕方も変わってきたんですよ。穏やかで飲みやすい香りの酒も評価してくれるようになってきています。来年はとりますよ(笑)。
それから、山廃と生造りといった特色のある酒にも力を入れていきます。吟醸のような洗練さとは違う飲みごたえのある酒を造りたい。そして、良い酒造りを続けるためにも、健全な経営をしていきたいですね。
──ありがとうございました。
(取材日:2007年8月23日)