▲杉錦の酒を前にした蔵元杜氏 杉井均之介社長。
住所/藤枝市小石川町4-6-4
銘柄酒/「杉錦」
≫所在地
門の代わりに木々が迎える入口には、釜の蓋が看板として立てかけられている。そこに書かれた「杉錦」の文字が素朴で温かい。その向こうにのぞく、青空の中にすっと伸びた大きな煙突は酒蔵のシンボル。工場の建屋は昭和初期の姿のまま。中は高い梁がめぐらされ、遠く高く天窓が見える。
ひとつひとつの機械について説明してくれる杉井均乃介社長。社長の知恵と工夫の結晶。いかに無駄なく合理的に皆が動けるか、常に考えているという。
山廃、生で日本酒の美味しさを探究したい。
▲入口には釜に書かれた「杉錦」の文字。高い煙突が夏空に眩しい。
──こちらは天保年間の創業という長い歴史のある蔵で、社長自らが杜氏をされていると伺っているのですが?
そうです。創業は天保13年ですね。私で6代目になります。江戸時代か明治時代の初期に分家して商売を始めたんです。で、しばらくして酒蔵を始めたということですね。
杜氏については、8年前まで南部杜氏を13年くらい使っていました。志太杜氏を使ってた時代もあったみたいですけど。今は、おっしゃる通り私が杜氏を務めています。小さな蔵では杜氏の給料を払うのは大変ですし、今後のことを考えると、自分なりの酒を造った方がいいと考えたわけです。
──それでは、今は何人で酒造りをなさってるのですか?
蔵人2人とパート1人と私の4人ですね。大変ではありますが、小さな蔵ですから自分流の酒造りができるという面では、楽しいですね。毎年9月から4月まで、少ないわりに時間は掛かります。うちは「少量ずつ丁寧に」を心がけているので、休みを入れながらその位の期間が必要なんですよ。