志太地方の酒蔵として、誠実に堅実に酒造りに取り組む。
▲上:吟醸・大吟醸用の仕込み室。下:温度管理の徹底した貯蔵庫。瓶詰めされて出荷を待つ。
──今、若者だけでなく、中高年層でも日本酒離れがいわれています。また、先ほど地産地消という言葉もありました。消費動向については、どうお考えですか。
現在の消費としては、地元の藤枝周辺(志太地方)で三分の一、県内で三分の一、県外へ三分の一という比率です。静岡県の酒蔵ですから、やはり県内や地元の方に飲んでいただければと思っています。
県外ですが、東京へは卸店を通さず、酒販店さんと直接取引をしています。酒は黙っていて売れるものではありませんから、どんな風に酒を造っているのか、どういう酒なのかを酒販店さんに知っていただかないと。それに、どんなお店で、どんな風に売っていただいているのか、気になりますからね。お客様と志太泉との窓口となっていただいているわけですから、酒販店さんとのコミュニケーションはとても大切です。
──なるほど。志太泉の酒を知っていただくという取り組みとして、ホームページやブログを通しても、熱心に情報を発信していらっしゃいますね。
そうです。ブログはできるだけ頻繁に更新するようにしています。ただ、仕込みの時期になると、なかなか更新できないのですが(笑)。ホームページやブログでの反応をみても、今また少しずつですが、若者のユーザーが増えている手ごたえを感じています。ですから、20代、30代の層をもっと掘り起こせないかと思っています。
インターネットだけでなく、東京での「地酒まつり」や、様々な場所で行われる「酒の会」などへも積極的に参加し、ユーザーと直接コミュニケーションを図っていきたいですね。そうした機会を通して、地酒の良さ、志太泉の良さを知っていただければと思っています。
──全国的にみると、海外への輸出が伸びてきていますが。そういった取り組みは。
ええ、うちでも輸出に取り組んでいて、カナダやシンガポールなどに輸出し、順調に伸びています。今、全国的に国内での日本酒消費は伸び悩んでいますが、その分を輸出でカバーできたことは、うちにとっても大きかったですね。
今後も海外市場をにらんだ展開を考えることは、企業として大切なことだと思っています。
──本日は、ありがとうございました。
(取材日:2007年8月22日)