▲瀬戸川の土手に何本もの桜の木。春には満開に彩るという。
住所/藤枝市宮原423-22-1
銘柄酒/「志太泉」
≫所在地
志太泉酒造さんを訪ねたのは、夏休み明けのまだ暑い盛り。青々とした田んぼと、よく手入れされた瀬戸川の土手に囲まれた、白い壁の蔵と黒い瓦屋根。遠望すると緑の山を借景として、まさに一枚の絵のように美しい。「地酒の酒蔵」と聞いて、誰もがイメージするのは、きっとこうした風景ではないだろうか。
平成19年11月に、明治以来の老舗酒蔵を受け継いだ、望月雄二郎社長(取材当時は取締役専務)にお話をお聞きした。
志太地方の酒蔵として、誠実に堅実に酒造りに取り組む。
▲酒造りについて熱く語る望月雄二郎社長。
──蔵の目の前が瀬戸川の土手と桜並木。花の時期は素晴らしいでしょうね。
自分たちで言うのも何なのですが、ここの桜は自慢なんですよ(笑)。本当に綺麗ですから、花の頃に見にきてください。
──ええ、ぜひ(笑)。
さて、こちらの仕込み水は、瀬戸川の伏流水ということで、先ほど蔵の方で飲ませていただきましたが、すごい水ですね。口に含んですぐ、「んんっ!」という感じでした。
そうでしょう。硬度3.3の軟水です。この水があったから、この地に蔵を開いたわけです。お茶会などが開かれる時、お茶の先生が水を分けてほしいと汲みにきたりもします。
うちでは仕込み水のろ過などは一切していません。本当の生水なんです。この水が柔らかな酒質を生むわけです。